テクノロジーに雇用が奪われるのか。
テクノロジーの進歩は目覚ましい。人類の長寿化と並行してテクノロジーは加速度的に成長していく。テクノロジーに淘汰される雇用もあれば残ったり新しくなる雇用が存在する。
我々がテクノロジーに囲まれた世界で取るべき行動を考えるためには
- 物語
- 探索
- 関係
といったことに目を向けなければならない。
人生のあり方を設計し直し、人間としての可能性を開花させて欲しい。
時代を生き抜く本『LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略』の要約
テクノロジーの進化は日々、加速度的に行われている。AGIという技術が発達すると、機械学習により既知の理論を発見する他、新しい理論を発見するようになる。
そのような世界において、必要とされる人材になるには人間としての可能性を開花させる必要がある。それには以下のような要素を吟味するべきだ。
- 物語
- 探索
- 関係
これらの概念がどのように人生を発展させていくかは後述で説明していきたい。
その前に筆者の紹介をする。
筆者の紹介
著者の一人目は、リンダ・クラットン。
ロンドン・ビジネススクール教授。人材論、組織論の世界的権威である。リバプール大学にて心理学の博士号を取得。世界で最も権威ある経営思想家ランキング「Thinkers50」で2003年以降、毎回ランクインしている。2011年、英タイムズ紙の「世界のトップ15ビジネス思想家」の一人に選出。
二人目は、アンドリュー・スコット。
ロンドン・ビジネススクール経済学教授、前副学長。オックスフォード大学を構成する、オール・ソウルズカレッジのフェローであり、CEPRのフェローも務める。
それでは、詳しく見ていこう。
物語
人生におけるテーマに経済面が大きいことは言うまでもない。これまでもテクノロジーは、生活水準を向上させ、余暇時間をもたらした。
人は仕事が少なく、経済的に安定することを求めるがそれだけでは満足しない。有意義なアイデンティティを求めるのだ。
これからの人生設計には、生活水準の確保と人間としての可能性の開花の両方を可能にする社会的発明を実現させる必要がある。
「物語」とは、自分の人生のストーリーのことだ。過去を振り返ると過去の自分を知ることができるが未来を見れば「ありうる像」を見ることができる。3ステージの人生設計が機能しない中で自分自身のストーリーに対する価値が増す。同調圧力は軽減され、自分のアイデンティティと人生のストーリーを創造的に描くことが人生を豊かにする。
- 「ありうる自己像」を書き出す
- 自分が抱いている基本的な前提を再検討する
- 時間配分を検討する
これらを行うことで、「よい人生」に向けた人生設計が可能になる。
生活水準と可能性の開花の両方を実現させる
自分のアイデンティティと人生のストーリーを描く
探索
過去▶︎現在▶️未来とある中で、我々は現在の人的ネットワークによって構成される足場によって未来の「ありうる像」を検討する。
生涯に渡って学び続けることで、「ありうる像」の選択肢を増やすことができる。
- 移行を成功させる
- 学習できる場を確保する
検討している「ありうる像」を達成するためにはいくつもの「移行」を必要とするだろう。そのための設計はできているだろうか。
人生のそれぞれのステージで自分がどのように生きているかを想像した時、学習する場は確保されているだろうか。
これらを検討することによって達成の確率はグッと高まる。
「ありうる像」を広げる人的ネットワークを構築する
人生のステージごとに想定を立てる
関係
人は歴史を通して常に支え合い生きてきた。家族・親戚の形はピラミッド型からピンボール型になる。長寿によって親世代は増え、子供は減る。家族の外側には親しい友達がいる。
パートナーと人生のストーリーを共有し、設計することが重要だ。これまでよりも共働き世帯が増え、仕事から勉学への移動も流動化する。移行期間にはどちらかが仕事を頑張り、もう一方は次のライフステージへの準備を進める。
- 人間関係に関する計画を点検する
- コミュニティを大切にする
上記のような設計が重要だ。世代を超えた関わりや、多様な人との関わりを担保することによるメリットは大きい。これらの「弱いつながり」が次のライフステージへ移行する助けになる。
パートナーと人生のストーリーを共有する
弱いつながりを重視する
まとめ
テクノロジーの発展と長寿化を引き起こす時代において、人類の可能性を開花させることは「良い人生」を生きる上で重要である。
- 物語
- 探索
- 関係
に目を向け、設計することで可能性を発見し、実現する物語を描くことができる。
100年時代に戦略的な人生を送るためにも実践してもらいたい。
伝えきれていないことはたくさんある。もし本書に興味を持った人は本を手に取ってほしい。