人生論

【要約・感想】幸福の資本論、人生の理を知る本

皆さんの中で「幸せ」とはなんだろうか。幸せになるためには何を手にしなければいけないと考えているか。

結論から言うと、幸福は3つの資本から生産することができる。

  • 金融資産
  • 人的資本
  • 社会資本

この3つだ。本当にこの3つなのか疑問に持つ人は、このブログを読むことでいくらか疑問が晴れるだろう。

ひとは幸福になるために生きているけれど、幸福になれるようにデザインされているわけではない。

『幸福の資本論』人生の理を知る本の要約と感想

「幸福とは何か。」について考えたことがある人は多いだろう。答えは出たようでまだ出ていないのではなかろうか。

実際、幸福は人それぞれだ。人それぞれ環境が違えば価値観も違う。

しかし、幸福のインフラはある程度共通するのではなかろうか。何が幸福かは人それぞれだが、何から幸福を得ているかは似通っていると思う。

幸福も家や建築物と同じで土台の上に積み上げていくものだとすれば、その土台こそが重要な観点なのではないか。では、その幸福の土台とは何か。

結論から言おう。それは以下の3つだ。

  • 金融資産
  • 人的資本
  • 社会資本

ここで金融資本ではなく、金融資産と呼んでいるのはその性質があるからだ。金融資産、イメージしやすいのが現金だとすると、現金は、そのものには価値がなく、モノと交換できる能力に価値がある。したがって、資本ではなく、資産と呼ぶ。

また、それぞれ異なる効用を人間にもたらす。

金融資産は、「自由」。人的資本は、「自己実現」。社会資本は、「共同体・絆」だ。

詳しい説明に入る前に、筆者の紹介をしたい。

筆者の紹介

著者の名前は、橘 玲(たちばな あきら)。

『お金持ちになる黄金の羽の拾い方』などを執筆。

メルマガの配信や、ダイヤモンド社との共同サイト『海外投資の歩き方』などを精力的に活動している。

金融資産

「お金は幸福になる一番確実な方法だ。」

大卒の平均的な生涯収入は3億~4億と言われている。仮に収入の10%を投資に年利3%の投資に回せば、退職時の資産は1億円を超える。誰でも億万長者になれる世の中だ。

お金にも限界効用がある。限界効用とは増えても幸福度が上がらない点だ。

一人あたりの限界効用は年収800万円で止まる。逆に言えば、年収800万円までは稼げば稼ぐほど効用=幸福度は上昇していく。

また、金融資産の限界効用は約1億円までは上昇する。

つまり、金融資産による幸福度の上昇には限界があり、年収800万円と資産1億円がその限界である。そこまでは稼ぐことに力を注ぐことで幸福度が上昇する。

収入の限界効用は800万円で0になる。資産の限界効用は1億円で0になる。

それぞれ限界はあるが、確実に幸福度が上がる方法である。

人的資本

人的資本は富の源泉である。

平均的な生涯年収が3億だとすると、倒産や失業というリスクプレミアムを8%だとした時に、20代の人的資本をお金で表すと5500万円になる。20代で5500万円も貯金している人はいない。

つまり、人的資本が一番重要な富の源泉である。

人的資本を積み上げる上で、基本的な原則が3つある。

  1. 収入は高ければ高いほど良い
  2. 収入は安定していれば安定しているほど良い
  3. 収入が同じなら自己実現できるほど良い

人的資本は金融資産と強い関係性を持っている。人的資本が高いほど、金融資産に変換することが可能だ。

また、「自己実現」のような多くの人が共通に持っている観念は現実化する。

人はいつの間にか、人的資本に自己実現と富を得ることの2つの目標を置いている。

人は人的資本を使って、自己実現しようとしている。

人は人的資本を使って、富を得ようとしている。

社会資本

「幸福」は社会資本からしか生まれない。

人は進化の過程で「つながり」を求めるようになった。徹底して、人は社会的な動物である。「幸福」という感情もその進化の過程で生まれている。

「つながり」には3つの種類がある。

  • 愛情空間
  • 友情空間
  • 貨幣空間

の3つだ。上から順に、人数の規模は小さく、重要度は高い。

「幸福」は社会資本からしか生まれない。

社会資本には、愛情空間、友情空間、貨幣空間があり、順に小さく、重要度が高い。

学びと感想

「幸福」を生み出すインフラとして、金融資産、人的資本、社会資本を取り上げたことに対しては、完全に同意である。

実際に、お金がもらえれば幸福度が上昇するし、人的資本が高まればその富を産む期待値から幸福に感じる。そしてそれらは社会資本があるから成り立つ。

私はこの考え方は人生の中心に据えたい。これら3つの資本を最大化することで自由自在に幸福をアウトプットできるようになりたい。

しかし、2つの点で合意できないことがある。

1点目は、著書のいう、金融資産と友情は両立不可能ということだ。私は、両立可能だと思う。金融資産が入り込まない友情関係があると信じている。もしくは、金融資産が入り込むことによって成り立つ友情関係があると信じている。(これはある種友情空間に貨幣空間を持ち込むということかもしれない)

私はこれを「部活的空間」と名付けたい。社会資本に必須な「共通の目標」を追い続けることで金融資産を超越した関係性があると思う。現代の友情にとって、金融資産を切り離すことはそれほど難しいことではない。お金で測ることのできない価値があるという思想が蔓延しているからだ。

したがって、私は「部活的空間」も含めた社会資本の最大化を目指したい。貨幣空間には価値を置かない。

2点目は、フリーエージェントは幸福を獲得する最善の策だということだ。私は、今後多くの人が、パラレルワークギグワークを経験すると思う。オンラインでの仕事が進んだ今、働き方は多様化している。つまり、いくつかの会社や働き方を両立する人や、オンラインで副業やフリーランスをする人が増える。その前提に立てば、企業に勤めることもそれほど悪い選択肢ではない。そこには社会資本があるからだ。

まとめ

幸福にはインフラ=土台がある。それは、

  • 金融資産
  • 人的資本
  • 社会資本

の3つだ。これらを最大化することで、人は最大限の幸福を得ることができる。

皆さんは、この考え方に同意だろうか。

ぜひ、考えてみてほしい。