戦略論

【内容まとめ】嫌われる勇気、自分の人生を歩む本

「自分の人生を生きたい」

あなたはそう思いますか?今のこの世の中(とりわけ日本)では、現在自分は極めて自由だと言い切れる人が少ないように感じます。

心理学の3大巨匠であるアドラーはどうしたら人生を幸せに生きられるかという難しい問いに対してシンプルな回答をくれます。

  1. トラウマを否定せよ
  2. すべての悩みは対人関係
  3. 他者の課題を切り捨てる
  4. 世界の中心はどこにあるか
  5. 「いま、ここ」を真剣に生きる

これらのことによってどれだけ人生が楽になるか、具体的な説明を聞くと明確にイメージが湧くようになります。

「世界」が複雑なのではなく、「あなた」が世界を複雑なものとしているのです。

自分の人生を歩む本『嫌われる勇気』の内容まとめ

皆さんは、自信を持って「自分の人生を歩んでいる」と言えますか?

もし、「No」という方はこの記事を読む価値があるかもしれません。

なぜなら、「アドラー」の教えは見方を変えるだけで、幸せな人生を送ることができる方法を伝えてくれているからです。

以下の5つの方法で、対人関係から自分を解放し、自由になることができます。

  1. トラウマを否定せよ
  2. すべての悩みは対人関係
  3. 他者の課題を切り捨てる
  4. 世界の中心はどこにあるか
  5. 「いま、ここ」を真剣に生きる

これらの方法は全て実践が難しいことではありません。今までの生活の中で見方を少し変えるだけで変化がわかるはずです。

具体的な説明に入る前に、筆者の紹介をさせてください。

筆者の紹介

原案を担当した筆者の名前は、岸見一郎。

哲学者。日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。著書に『アドラー心理学入門』など多数出版している。

書籍のライティングを担当したのが、古賀史健。

フリーランスライター。インタビュー原稿に定評があり、インタビュー集『16歳の教科書』シリーズは累計70万部を突破している。

トラウマを否定せよ

もし、過去のいじめや様々な要因で「暗い性格」になってしまった人は、もう変われないのでしょうか。

アドラーはその考え方に真っ向から否定しています。過去の経験から今の自分が規定されるという「原因論」を強く否定し、自分の目的に対して過去の経験を意味づけするという「目的論」を提唱しています。

つまり、「暗い性格」は様々な要因からその状態でいるのがなため、自身がそのままでいることを望み、決定しているということです。

怒りの感情は出し入れ可能。不幸であることを望んだ。

ライフスタイルを選んだ。選択可能。

原因論ではなく、目的論

過去の経験ではなく、経験に与える意味によって現在を決定している

すべての悩みは対人関係

もし、悩みを全て消したいのならば、宇宙でただ一人になればいいのです。この言葉は人々の悩みが全て対人関係の悩みであることを表しています。

「劣等感」という言葉がありますが、これは「優越性の追求」という何もない状態で赤ん坊として生まれてきた我々の本能です。

しかしながら、「劣等感」「劣等性」は違います。もしあなたが身長が低いというコンプレックスを持っていたとしてもそれを劣等性として意味づけをしているのはあなたです。

また、変わる勇気を持たない人は劣等コンプレックスに陥ります。身長が低いからモテないのだ。とか学歴がないから稼げないのだ。とか偽りの因果関係を作り出します。

加えて、優越コンプレックスという状態は、自らの成果を自慢します。これは自分に自信がないからです。

劣等コンプレックスの最たるものは不幸自慢です。この状態に陥ると人は、永遠に不幸を必要とします。

「人々は、仲間である。」という認識を持つことが重要です。競争というフィールドに立つことなく、同じ平らな平面をいろんな方向に進んでいる人がいるというように思うようにしましょう。

アドラーは明確に人生の目標を提示しています。行動面の目標は、

  • 自立すること
  • 社会と調和して暮らせること

心理面の目標は、

  • 私には能力があるという意識
  • 人々は私の仲間だという意識

です。

また、人生には逃れることのできない3つのタスクがあります。

  1. 仕事のタスク
  2. 交友のタスク
  3. 愛のタスク

繋がりの広さと深さは違いますが、それぞれ向き合わなければいけないタスクです。

人の悩みは全て対人関係の悩みである

劣等コンプレックス、優越コンプレックスは勇気のない証拠である

人生の目標は、自立すること、社会と調和して暮らせること、私には能力があるという認識、人々は仲間であるという認識であり、その達成には、仕事のタスク、交友のタスク、愛のタスクは不可欠だ

他者の課題を切り捨てる

アドラー心理学は、承認欲求を否定します承認欲求とはそもそも賞罰教育の影響によって、良いことをしたら褒められる、悪いことをしたら罰せられるという習慣からきています。

承認欲求に縛られると、どんどん自由から遠のいてしまうわけですが、そこでキーになる考え方は、課題の分離です。

私がした選択について、他者がどう感じるかは他者の問題なのです。

もし、周りに10人他者がいて、全ての人の期待を満たすことはできません。つまり、他者の期待を満たすために生きることは自分に嘘をつき、周囲の人にも嘘をつき続けるということです。

まとめると、「自由とは他者に嫌われること」です。

嫌うという他社の課題を切り捨て、嫌う人もいるがそれは自分の問題でないとし、自分の選択を続けることが自由という状態になります。

また、対人関係のカードは自分が持っている。という感覚は重要でしょう。自分自身がこの人と関係を築きたいと思うのは自分の課題です。それに対して相手がどう感じるかは知ったところでないでしょう。

承認欲求に従って生きると自由から遠のく

課題の分離をする

自由とは他者に嫌われることだ

対人関係のカードは自分が持っている

世界の中心はどこにあるか

結論、対人関係のゴールは「共同体感覚」です。

人は、共同体の一部であって中心ではありません。自分を中心に考えると、承認欲求を発揮するようになってしまいます。人は人生のタスクに向かうべきなのです。

「所属感」は自分の手で掴み取るものです。会社や家族といった小さな共同体ではなく、より大きな共同体の声を聞くように心がけましょう。事実として人は一人では生きていけません。共同体として動きながら成立しています。

ちなみに、子供とやり取りをする時に、褒めてはいけないし、叱ってもいけません。

褒めるという行為は上下関係を体現しており、操作しようという意思が感じられます。人は褒められるほど自分には能力がないという認識を持つようになります。

代わりに勇気づけが大事です。存在そのものに価値を持ち、「ありがとう」というような対等であるから出る言葉を使いましょう。

対人関係のゴールは「共同体感覚」である

より大きな共同体から「所属感」を得ることができる

あくまでも対等な横の関係を増やすことが大事

褒めてもいけないし、叱ってもいけない

「いま、ここ」を真剣に生きる

「共同体感覚」を持つために重要なのは、「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」です。

自己受容とは自己肯定とは違い、自分が100点だと錯覚することではなく、変えられないものと変えられるものを見極め、60点の自分を認めることです。

また、信頼と信用は違います。信頼とは一切の条件をつけずに信じることです。

他者貢献によって人は幸福を感じることができます。承認ではなく、貢献できていることで自分の価値を認めましょう。

できれば、「いま、ここ」をダンスするように生きてください。刹那的な瞬間にしか意味はありません。過去にも未来にも世界を変える権利はありません。

一つ、希望の星となる「他者貢献のために生きる」ことだけ忘れなければ、刹那的に生きることが一番です。

自己受容、他者信頼、他者貢献が重要

自分をあるがままで認め、他者を一切の条件をつけずに信じ、他者貢献によって幸福を得る

「いま、ここ」を意識して刹那的に生きる

学びと感想

実は私がこの本に出会ったのは、高校1年生の時でした。その時は、部活に勤しみ、忙しい日々を送っていました。

当時私には、人間関係や目標達成の悩みが山積みでした。よくある話です。クラスでの人間関係に悩み、部活でレギュラーになれなかったり、プレーがうまくいかないことに悩みました。

そんな時に素晴らしい回答をくれたのがこの本でした。「他者の課題を切り捨てる」「怒りの感情は出し入れできる」など目から鱗の話ばかりで、それを意識していると世の中はそうなっているように思えました。

それからというもの、私は、「目的論」に沿って生きるようになりました。今退屈なのは原因があるわけではなくて、退屈を望んでいるから退屈なのだと思っています。

そう思うことで、大抵のことは私にとって変えられるものとなりました。変わることは難しいことではなくなりました。

多くの方にこの考え方が届いてくれたらと思っています。

まとめ

「自分の人生を歩みたい」

本当にそう思うのであれば、以下のことを実践するだけで可能です。

  1. トラウマを否定せよ
  2. すべての悩みは対人関係
  3. 他者の課題を切り捨てる
  4. 世界の中心はどこにあるか
  5. 「いま、ここ」を真剣に生きる

一つひとつはそこまで難しいことではありません。しかし、全てを実践することで大きな力を発揮します。

皆さんも一緒に人生の幸せを勝ち取りましょう!

もし、もっと知りたいという方がいたら、本を手に取っていただきたいです!